とてもお久しぶりです!2週間程旅に出ていました。
バーゼルからドイツ、チェコ、そしてハンガリーと回って帰って来ました。
まずバーゼルからドレスデンまで車での移動。去年アレッハンドロとパリに行った時に利用したネットヒッチハイクと同じで、電車で行くよりかなり安い値段ですし、mitfahrgelegenheit(http://www.mitfahrgelegenheit.de/#search_abroad)というサイトが管理していて安全です(100%とは言えないけど)
今回は友達のジョアオもドレスデンまで行く用事があるとの事で、一緒に行きました。
7時間かけてやっと到着!もう夜で暗かったけれども、ドレスデンの旧市街は素晴らしかったです。
大の酒好き、ジョアオとバーに直行!
酒飲みの先生です(笑)
次の日の朝はジョアオと共に、趣味で19世紀ギターを集めているという方のお宅を訪れました。
ほぼ全てのギターは無名で、いつ作られたのかもわからないという感じでした。
なので耳を疑ってしまう程安い値段で売っているんです。
最終的にジョアオは2本のギターを買いました。合わせてなんと5万円!
修理は必要だけれども、音色はとても素晴らしくこの値段はほんとに破格です。俺もほしいー(笑)
おめでとうジョアオ!
さて午後は今回の目的であるギター講習会に参加するために電車で移動。
しかし乗った電車は良かったのですが、途中で乗り換えないといけない事を知らず、随分と遠い所まで行ってしまいました駅まで迎えに来てくれると言ってくれた事務の方とも連絡が取れず、5時頃到着予定だったはずが、結局夜の9時頃になってしまいました。
会場の場所もホテルの名前もメモしてなかったので(駅から車で20分くらいの所らしい)、途方に暮れてたのですが、なんと同じ電車からギターを持った人が3人出て来たではありませんか!もしやと思い声をかけてみると、「君も講習会を受けに来たのかい?僕たちもなんだけど遅れちゃってね。僕は毎回来てて場所もわかるから一緒にいこう!」と。ああ、神様ありがとう
「ギターと自然」という題名のこの講習会はErlbachというチェコとの国境にあるドイツの小さな町で、毎年エドワルド・フェルナンデスが講師を務めています。
彼の事を初めて知ったのは2009年の庄内ギターフェスティバルでのこと。福田先生とのデュオコンサートそしてマスタークラスも素晴らしく、とても印象に残っています。そして2年前に来日された時にレッスンを受ける機会に恵まれたのですが、眼から鱗状態でした。その時にこの講習会の事を教えてもらい、今回参加しようと思い立ったのでした。
レッスンではグランド・ソロ(F.ソル)、ファンタジア(J.ダウランド)、演奏会用エチュード(F.タレガ)の異なる時代の曲を弾きましたが、エドワルド先生は、それぞれの時代の音楽が当時どのように話されていたのか(演奏されて来たのか)を理解する事が大事だとおっしゃって下さいました。
そういう事ってただひたすらギターを練習するだけでは理解出来ないんですよね
もちろん練習する事はとっっっても大事ですが、それと同じくらい、当時書かれた絵や文献を読む事も大切だなぁと思います。僕たちは約1500年から今現代までの曲を弾かなければならないのだから。いや、弾く事が出来るのだから(幸せな事に!)
でもふと考えてしまうのですが、僕(たち)は現代に生きていながら、過去に作られた音楽を演奏している。しかも日本人でありながらヨーロッパで生まれた音楽を、、。勿論その音楽に心から感動しているからだし、考えてみると日本人の僕でも感動する事ができるということ。
留学して気づいた事は、ヨーロッパ人だからといってみんな(演奏者について)がクラシック音楽を理解できている、または感動できているということではないということ。多分それは当時当たり前だった音楽と生活との結びつきが今では薄いものになってしまっているからだと思う。
僕たちは本当の意味で、当時演奏されて来た音楽を完璧に再現する事はできないし、ただ再現する事がクラシック演奏家の役目ではないと思う。作曲家が残してくれた楽譜に命を吹き込む、つまり常に新しい事を生み出し共有していく事こそが、演奏家の人生なのかもしれない(まだ22そこらで偉そうなこと言ってんじゃない!と言いたくなりますが 笑)。
でもその為にはその曲を知ること、作曲家を知ること、その時代時代の精神を感じることが大切ですね。その為には毎日勉強、という所に辿り着いちゃいますね。
どんな物事でも、新しいものを生み出す時というのは、同時に、過去に人や自然が作り上げて来たものを大切にしていかなければ、良いものは生まれないんじゃないかと思います。
例えば同じギターでも、木に感謝し1本1本心を込めて作られたギターと、いっぺんに大量に木を切り、流れ作業で作られたギターとではやはり大きな違いが出来てしまいますよね。
僕たち現代の人々は、そういったことを忘れていってしまっているという現実をもう一度見つめ直さないといけないですね。
とまぁ、だいぶ遠いところまで話が飛んでしまいましたが(汗)、エドワルド先生はこれらの事柄を考えさせてくれるような方でした。自然が豊かなこのErlbach(エールバッハ)の町もその理由の一つかもしれません。
考えすぎて頭が痛くなりそうなので、ほっとする写真を
ホテルの裏の山道
ではまた!
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